黄金と四聖獣
「という感じで、左目を隠していたんだが…あの男の子が怖がっていたのは、麒麟の黄金の瞳だったのかな…」
と、フィアネに言う。
「恐らくは…まだシオン様が小さかった時ですから、力が制御できずに、片目だけ黄金に変化してしまってたのかもしれないですね…意識して瞳の色を変えることはできますか?」
そうフィアネに聞かれて、シオンは首を
横にふる。
さっきまで、金色に変わっていたことすら
わかっていなかったのだから、そんなの
できっこない。
「まぁ、それは、ゆっくりとできるようになれば大丈夫ですよ」
フィアネはそう微笑む。
「前髪を、切る気は無いんですか?」
とフィアネは聞いてきたが、私は首を
横に振る。
「やっぱりこれがないと落ち着かなくてな…」
「そうですか…せっかく綺麗な顔なのに、何だかもったいないですね…」
フィアネはそんなことを言う。
フィアネ自信も驚くほど整った顔を
しているのにな…
「そうだ、前にフィアネは待っている人がいると言っていたけれど、それは私のことだったのか?」
私がそう聞くと、フィアネは頷いた。
「はい、なので…一度断っておいてなんですが…私を連れていってください!シオン様」
そう言うと、フィアネは私に向かって
深々と頭を下げる。
「そ…そんな、顔を上げてくれ。」
私がそういうと、フィアネは不安そうに
こちらを見た。