黄金と四聖獣



「そろそろ行こうか」


そう、シオン様が私がいた部屋をのぞき込んで


そのまま動きを停止した。



「あ、はい!…えっと…変でしょうか?」



前の巫女の服は血だらけで破けてしまったので


新しく服を自分で仕立てた。



桃色の着物に赤色の帯だった。


「いや、すごく似合うよ」


そう言って微笑むと、シオン様は近づいてきて


私に手を伸ばした。



そして私の結い上げた髪を触ると、


髪を結んであった紐をほどいた。




「…私はこっちの方がいいと思うな」


シオン様は、私の髪を触りながら言った。



「本当ですか?じゃあこのまま行こうかしら」


と笑いながら言うと、シオン様は


手から髪を放して、



「本当に君は綺麗だな」


と微笑んでいった。




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