黄金と四聖獣
……。
さらりとふわふわとした笑顔でそんなことを
言われると、なんだか反応に困ってしまった。
「…何口説いてるんですかシオン様」
するといつの間にか、シオン様の背後には
エーラさんがたっていて、そんなことを言う。
「口説く?今のが?」
キョトンとした顔でそう言うシオン様。
「綺麗って言うのは初耳でしたけど、城にいた時は無自覚に発する言葉で女官たちを落としまくってたじゃないですか」
と、エーラさんはため息をつきながら返した。
「へぇ…シオン様がそんなことを…」
「本人は全くその気ないけどな」
「ふ…二人ともそんな目で見ないで…」
シオン様はそう言うと、
私とエーラさんの視線を遮る
ように袖で顔を隠す。