黄金と四聖獣
だから…最近は王位争いに巻き込みたくなくて
距離を置いていたのに、肝心な時に…
「あぁ、大丈夫だ…すまないエーラ…」
私のせいだ、と続けようとすると
エーラはそれを遮るように言った。
「私のせいだなんて言ったら怒りますよ、シオン様。従者が主人を守るのは普通の事です。」
そしてエーラはグオンに向き直ると藍色の目を
細くして睨みつけながら言う。
「これはどういうことですかグオン様」
その問いに、グオンは答えない。
ただ、真っ直ぐとエーラを見ているだけだった
「…実の兄を王位のために殺そうというのか!?あなたの誇りがそれを許したのか!?」
エーラは血が滴る肩を抑えながら怒鳴る。
私はそんなエーラの怪我をしていない方の肩に
手を置き、下がらせる。
「シオン様…」
「エーラ、私の従者としての任を解く。」
私は、エーラの言葉を無視してそう言い放つ。
今、私といてはエーラも確実に殺される。