黄金と四聖獣
一方、シオン様はこちらに背を向けてしゃがみ
しゅんとした様子で、地面に渦巻きを
書いていた。
「シオン様…そんな落ち込み方しないでください…」
そう言うけれど、シオン様はこちらを
向かなかった。
「みんな、私はもう行かなきゃいけないから、みんなは自分のお家に帰りなさい」
そう言って、手を振ると
周りにいた鳥たちは一斉に飛び立っていった。
だが、一羽だけ、鷹は私の側でこちらを
見つめている。
「あなたも帰っていいのよ」
そう言って、鷹に笑いかけるて背を向けると
「すみません、お待たせしました。行きましょう」
と、エーラとシオン様に言った。
「あぁ、日が暮れる前に、一つは山を越えたい」
と、エーラが返事をして、シオン様は頷いた。
しかし…少し進んでも後ろから枯れ葉の音が
ガサガサとするので、
私は振り返ってみた。
すると、さっきの鷹がぴょんぴょん跳ねながら
ついてきていた。
「…もしかして、一緒に行きたいの?」
そう聞くと、その鷹は羽ばたいて私の肩の
上に乗った。