黄金と四聖獣
いや…もう手遅れかもしれないが…
今私に出来ることはこれしかない。
「グオン、たった一つの願いだ。エーラを殺さず、逃がして…「嫌でございます!」
グオンに向かって頭を下げようとした私に、
エーラはワガママのような言葉を叫んだ。
思わず私はエーラを振り返る。
エーラは苦しそうな顔で額に汗を滲ませて
いたが、瞳には強い決意が宿っていた。
「その願いは…聞き届けられないな。シオン。エーラにも死んでもらう。」
グオンはそう言うと、再び短刀をこちらに向ける。
それに反論しようとシオンが口を開くと、
何も言わないうちにグオンが、
「ただしシオン。お前が生きたいと望むなら、エーラに生きて欲しいと望むなら、この城から生きて逃げのびてみろ。」