黄金と四聖獣
その後、夕食も食べ終わり
「そろそろ寝ようか」
とシオン様が言った。
私もエーラも頷いて、焚き火の近くに
集まった。
寝ると言っても、布団で横になって寝る
というわけではなく、木によりかかって
布をかけて寝るという感じだった。
シオン様、エーラ、私の順に並んで、
三人で固まって寝ようとするけれど
私はなんだか目が冴えてしまって、
眠れなかった。
私の側には、クオンも寝ている。
今日の夜は、いつもより冷え込んでいるように
感じる。
吐く息も白くなっている。
その時、おもむろにエーラがもそもそと
動き出した。
少し横目で見ていると、自分の布を剥ぐと
もうすでにすやすやと眠っているシオン様に
そっと掛けた。
そして自分には何も掛けず自分の膝に
顔を埋めるようにして寝ようとするエーラに、
私は自分の布をめいっぱい広げて半分を
エーラに掛けた。
エーラは驚いたように顔を上げてこちらを見る
と、何も言わずに布を押し返した。