黄金と四聖獣



エーラは私たちの側で話を聞きながら、


荷物の支度をしていた。





「私も、同じような夢を見ました。でも白虎の居場所は、どこかの洞窟に封印されているということしかわかりません。そして、その封印は、麒麟様にしかとけないと。」


そう言うと、シオン様は



「私は、麒麟の生まれ変わりなのだろう?なら、試してみる価値はある。市場で武器を探したら、白虎の情報を探ろう。」


と言った。





それにエーラは、


「白虎を助けて、仲間にするんですか?」


と、シオン様に聞く。




シオン様は、助けた後のことを考えて


居なかったらしく、ポカンとした顔をする。




「本来、四聖獣は麒麟の元に集うものなのでしょう?なら仲間にするのも普通だと思いますけど」


と、エーラが言葉を続ける。




それにシオン様は、


「私が仮に四聖獣を集めるのだとして、その理由は私自身とエーラを守るため。そして、私自身のことを知るためだ。フィアネはこうして付いてきてくれているが、他の四聖獣も私に力を貸してくれるとは限らない」


と、少し下を向いていう。




「それでも、白虎が苦しんでいるという事を前世の自分から聞いて、放っておけはしない。仲間にするしないは置いておいても、私は白虎を助けたい」



と、今度は決意を固めたように顔を上げた。






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