黄金と四聖獣
私たちが宿に入ると、宿の中は
少し古い作りだが綺麗に掃除されていて、
全くボロくはなかった。
「あれ、あんたらちょっと濡れてるねぇ」
と、私とシオン様を見てから言うと
「手ぬぐいもってきんさい」
と、宿の奥に向かって叫んだ。
すると、奥から着物を着た若い女の人が
出てきた。
「女将、持ってきましたよー」
と、女の人は陽気に言ってから、こちらに
気がつく。
「あらあら、雨の中大変だったでしょう」
そう言いながら、シオン様と私に手ぬぐいを
渡してくれた。
そして、今まで私とシオン様の影に隠れていた
エーラの姿を見つけると、
女の人は驚いたように固まった。