黄金と四聖獣



嵐のように去っていった女将さんを見送ると


私はエーラの方に近づいていって


備え付けてあった浴衣を差し出しながら言った





「エーラ、すごく気に入られてたわね。あの女の人に」


そう笑うと、エーラは少し嫌そうな顔をする。




なんだかそれが面白くて、私は



「私が着替えさせてあげようか?」


と、女の人の真似をしてみる。



するとエーラは少し乱暴に私の手から浴衣を


取ると、こちらに背を向けて




「そういうこと言うな」


と言う。



「ごめん、怒った?」


そう聞くと、背を向けたまま縦に首を振った。







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