±10 LOVERS
トントン…「あの、すいません」
待機列へと戻ろうとした時、急に背後から
男の声がし、肩を優しく叩かれた。今思い
返せばこの一瞬の取るに足らないイベント
こそが俺の今後を大きく変えていくもの
だったのだろう。そんなことは露にも思わ
ず反射的に振り向いたのであった。
大きく運命が変わっていく初夏の昼下が
り、俺は確実に進んでしまった。
待機列へと戻ろうとした時、急に背後から
男の声がし、肩を優しく叩かれた。今思い
返せばこの一瞬の取るに足らないイベント
こそが俺の今後を大きく変えていくもの
だったのだろう。そんなことは露にも思わ
ず反射的に振り向いたのであった。
大きく運命が変わっていく初夏の昼下が
り、俺は確実に進んでしまった。