±10 LOVERS
振り返るとそこには20歳そこらの陽気そう

な男が笑顔で立っていたのだ。茶髪に深め

のハットを被り、いかにもな「若者」が俺

に何の用なのだろうか。即座に俺は、何か

忘れ物をしていたのか、もしくは何かモラ

ルに反することでもしていたのだろう

か…、答えの見えないモヤモヤを抱え、男

の第一声をひたすら待っていた。男が発し

た言葉は予想していたものと大分違ってい

た。


「先程からずっと見ていました。すごく上

手いんですね、この音ゲー!」

「え、あ、はい?」
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