君が罪なら俺は罰を受け入れる
『愚痴を聞きにきただけだよ』
俺は真っ直ぐとアイツのいる場所へと向かう。
歩いていたのが小走りになり、そして完全に走る俺の心に浮かぶ、アイツの泣き顔ー……
公園の入り口からでも見える、電灯に照らされた木製のベンチに腰かけているアイツ。
俺はそっとその場に止まり、そこからアイツの様子を見つめる。
項垂れていて、アイツがどんな顔をしているのかは確認できないけど、それでも俺にはすぐに分かった。
きっと、泣いてるー……
『あれから一時間だぞ?
もう……今日、待つのはやめろよ?』
俺は持ってきたブランケットをアイツの震える肩から背中にかけ、そう声をかけてみる。
俺の声だと認識したバカ女はパッと顔を上げ、俺の顔を見つめてくる。
『……………どうして………?
来なくていいって………私……』
『別に心配してきたんじゃねーよ。
ただ愚痴を聞きにきただけだし』
俺がそう言うと、バカ女はクスって笑った。
『そう言うのを“心配してきた”って言うんじゃないの?』
…そう、泣き腫らした目で俺を見つめながら問いかけてくる。
『だってお前、愚痴の一つ聞いてくれる友達もいないんだろ?
俺が聞くしかねーじゃん?』
『………私だって愚痴の一つや二つ、聞いてくれる友達も家族もいます!』
そう反抗してくるバカ女。
なら、なんで俺に一番に電話してくんだよ、と俺は心の中で問いかける。
『………いるよ。でも……いつも小原に電話をかけちゃうの。
なんか小原なら笑って、“大丈夫だよ”って言ってくれそうな気がして。
小原がそう言ってくれたら……本当に大丈夫な気がして………だから…』
『ま、俺もお前の愚痴を聞かされる友達のうちの一人でもある訳ですから?
別にいいけど。』