君が罪なら俺は罰を受け入れる
『……いえ。
彼女は何も知りません。
彼女はこの先も知ることもないことです』
(この先も……?)
それはつまり小原は気持ちを伝えることはしないってこと?
どうして?
なんで?
そんなに大切に想ってるなら、その想いを伝えればいい……
『え……どうして?』
坂巻さんはあたしの心の中を代弁してくれるかのように、小原に問いかけた。
『彼女にはとても大切な人がいます。
それに俺が彼女の幸せを望んで彼女から離れましたから。
俺の想いに彼女が一生気付くことはなくても、それでも彼女が幸せなら俺はそれでいいんです』