君が罪なら俺は罰を受け入れる









『その方、勿体ないな。

 こんなに優しく親身になってくれる男性はなかなか探しても見つからないのに』










『俺が負けただけです。

 彼女に恋をしたことも、彼女の魅力に俺が負けただけ。

 彼女の幸せを願うと離れたのも、彼女の幸せになる姿を見ること、俺には出来ないから。


 全部負けてしまったから、こその結果だと思っているのでいいんです。



 ただ、俺には彼女が幸せになっていく姿を見ていることが出来ない、彼女の傍で相談に乗ったり背中を押すことが出来ない。


 だから……今、俺はここにいるんです』









『………………え?』







坂巻さんが発したと同時にあたしも同じように発してしまった。




でも同時だったから、なのかそれとも単に聞こえていなかっただけなのか、二人がこちらに振りかえることはなかった。













『俺、一番大事な人の幸せを傍で見守ることが出来ない。


 だから彼女のように幸せになる為に踏み出そうとしている人の相談に乗ったり、背中を押すことがしたい。


 幸せな瞬間を作りだす新郎新婦を、新婦は彼女、新郎は彼女が選んだ男だと思ってるんです。



 思いっきりプライベートなことを仕事に持ち込んでいるんでお客様には失礼な話なんですが……』









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