君が罪なら俺は罰を受け入れる
『そんなことないわ。
あなたのその想いがあるからこそ、私も息子たちもあなたとの打ち合わせが楽しいのよ、きっと』
坂巻さんはそう言うと優しく彼に微笑んだ。
その顔を見て、安心したのか、彼もホッとした顔をしているようだった。
(………そっか。そっか。だからあんなに仕事が積み重なっても小原は嫌な顔を一つ見せないで頑張れたんだ。そっか………)
彼がウェディングプランナーの道を目指した理由。
彼がウェディングプランナーとして日々励む理由。
(全部、ぜーんぶ、好きな人の為、なんだね………)
『そっか………小原には好きな人がいるんだね………』
『小原も恋をしてたんだね………ずっと同じ人に、ずっと……』
『………あれ………なんで………?』
頬を伝う一筋の涙ー………
それを手で拭いながら、自分に問いかける。
『なんであたしは泣いてるんだろう………』