君が罪なら俺は罰を受け入れる
『なんだよ?』
『なんでもない………』
言える訳ない。
彼に言える訳ないし、彼に聞いてもらう訳にもいかない。
だって、あたし、なんとなく気付いてるから。
本当は気付いてる、けど気付かない振りをしてる。
だって、あたしが自分の気持ちを認めても、小原の心の中にはあたしじゃない、誰か特別な女の子がいるからー………
『なんだよ、それ。すっげー気になるじゃん』
『いいの!てか、仕事!あたしたちは仕事をしに来てるんだから!
そうよ社会人は仕事をしてなんぼ、成果をあげてこそ会社への貢献よ!』
『意味わかんね。まぁ、今日は自らファイルの片づけを始めてるし、ヤル気はあるみたいだし………ま、いっか。』
彼はそう言うと、いつものように傾れ落ちたファイルをあたしの机に片付けていく。