君が罪なら俺は罰を受け入れる
(………マジでこんなバカなことを俺がするとか、マジでないわ……)
そう、心では思うのに。
それでも俺の言葉に、ぱぁっと華が咲いたように微笑むバカ女を見て、俺の心が変わっていく。
(バカ女のこの顔が見れるなら、俺の言動はいつだって正しい)
『約束ね、小原!』
『はいはい、我儘なお嬢様』
そんなことを言われても、目の前のバカ女はニコニコと嬉しそうに微笑む。
俺なんかの言葉一つで、そう笑うコイツは本当にバカ女、だなー……
『よし!それなら映画、観に行こう!
あ、小原の観たい映画でいいから!』
そう言うとバカ女は運転席に乗り込み、シートベルトをし始めた。
『……はいはい、じゃ、運転お願いします』
俺はそう言い、バカ女の車に乗り込む。
乗りこむ時に香った、あのフレグランスの匂い………
(元彼もこの匂いだったな……)
お揃いでつけていたのか、それとも車に染み付いていたのか、俺はそれ以上先の事を考えないようにした。