君が罪なら俺は罰を受け入れる





『………忘れちまえよ。

 元彼のことなんて……頼むから忘れてくれよ』





そう呟く言葉は、上映される場所へと急ぐ客たちの騒ぐ声と足音にかき消されていく。






だから、俺はきっと思いの丈を口にしてしまう。






『……浮気するような男のどこがいいんだよ……。

 俺なら浮気なんかしないし、お前だけって約束出来んのに』








『あんな男のどこがよくて、なんで俺は友達止まりなんだよ……』











本当は、本当に、バカ女はトイレに行っただけかもしれない。



それでもバカ女が帰ってくるまでのその時間は俺には何時間も、いや何カ月も待たされているかのようにも思える苦痛の時間だった。




苦痛の時間、それでもやっぱり俺はバカ女がいないとすげー不安で。



だから、そこで待っていればいいのに。



俺はバカ女に恋をしたバカ男だから、自分の足を動かしてしまうんだ。








『………いくらなんでも遅いだろ……』





きっとまだバカ女と離れて10分が経つかどうか。


女性トイレは混むだろうから、その位、待てなくてどうするって感じだけど。










そして、俺は、行く前にあった不安を後悔に変えるー………







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