君が罪なら俺は罰を受け入れる
運がいいのか、それとも悪いのかー……
元彼はバカ女から三つ程離れた席に座った。
バカ女もそれは横目でチラッと見て、その事実は分かってるはず。
バカ女の意識は完全に映画、ではなく元彼に向いていたー………
その時、バカ女の鞄の中でスマホのバイブが鼓動したらしく、バカ女は静かに鞄からスマホを取りだした。
それは一つのメッセージー………
俺は見てはいけない、と自分に言い聞かせながらも、こっそりとバカ女のスマホを覗いてしまった。
【ちょっと話したいことがある。映画終わったら、ちょっといい】
内容だけで誰が送ってきたか、俺にはすぐに分かったー……
バカ女はそのメッセージになんて返信したらいいか迷っているのだろう。
映画は中盤に差し掛かり、より一層の恐怖感を増しているのだろう。
周りからは小さな悲鳴が聞こえたり、唾を呑みこむ音が聞こえたりしている。
全くバカ女のせいで、あんなにも楽しみにしていた映画だというのに、内容が掴めていなく、いまいち周りの反応に同調出来ていないでいる俺ー……
その横ではバカ女がずっと返信出来ないでいるままだった。