君が罪なら俺は罰を受け入れる
(俺の想いとは裏腹にバカ女はこんなことされて困ってる……?)
勝手に体が動いて、崩れ落ちそうなバカ女を抱きしめたはいいが、俺は顔の見えないバカ女が今何を考えているのかに不安を感じていた。
『………ねぇ、小原………』
『何?』
声をかけておきながら、俺が問いかければ、バカ女の口が止まる。
それが数秒、数分の間を置くもバカ女の口が開くことはなかった。
その代わりに小さな嗚咽が俺の耳に入ってきた。
嗚咽と共に震える肩が、俺の心を握りつぶしいていくー………
(俺、このままコイツの友達面をしててもいいのか……?)
(俺さえいなければ、今、このバカ女が泣くことはなかった……)
俺の腕の中で嗚咽を漏らしながら泣いているバカ女ー……
(俺さえいなければ、今もコイツは元彼の腕の中で笑えていた…よな……)
『なぁ………』
『………ぐす………ひっく……………何………?』
(別れてくれて良かったのに。別れてくれてありがたかったのに。それでもバカ女が泣くことでこんなにも苦しくなるとは思わなかった………)
『………別れたくなかった?』
『……まだ、一緒にいたかった?』
それは分かり切ってる答えだったんだー………
『…………うん。
別れ……たくなかったし………ずっと……ずっと一緒に………いたかった……よ……?』