君が罪なら俺は罰を受け入れる
『…………俺さ』
そう、言いかけたところで一度口を閉じる。
俺の中途半端な言葉に、バカ女は体を離し、『どうしたの』と問いかけてくる。
問いかけるバカ女は首を傾げて、その動きに目尻から大粒の涙が流れ出す。
『………俺と百合は友達、だよな?』
『…………うん……?』
俺の問いかけに短く答えるバカ女を解放し、バカ女の右肩に手を置く。
(俺とバカ女は、友達……だったら俺がしなきゃいけないのは………きっと……)
『………わりぃ。俺、間違ってたわ』
『……………小原………?』
『友達なら、泣き場所……じゃなくて、チャンスを与える存在じゃなきゃダメだよな?』
(本当の友達なら、隙なんか狙っちゃダメ……だよな)
(こんなにもコイツの気持ちがしっかり分かってんなら……俺がしなきゃいけないのは……)
『………小原……?
チャンスを与える存在って………?』
『行こ、百合』
俺の言葉に戸惑うバカ女の小さい手を引き、俺はそう誘う。
『………え………行こって……どこに……?』
俺に引かれるまま走りだすバカ女は俺の背中に向かって問いかけてくる。
『決まってんじゃん、お前の一番好きな奴の元』
『…………え………?』
明らか動揺するバカ女の声を聞きつつ、それでも俺はただ足を動かした。