君が罪なら俺は罰を受け入れる
きっと警察と遭遇すればその場で減点、しかも違反金を請求されるだろうな。
そんなことを冷静に考えられる程にアクセルを踏んでいた。
車を走らせること20分、俺はアイツがいる公園の駐車場に到着した。
(………まだ、アイツいるよな……)
運転席側のドアを開けようとした時、運転席側のサイドミラーに映る、一台の車。
(………………車……)
「彼氏はね、セダン型の車に乗ってて、それでね、所属している走り屋のチームのステッカーを車体に貼ってるんだよ」
いつだったかアイツが満面の笑みで教えてくれた、俺にとっては必要のない情報。
それが脳内で何度もリピートされて、そしてセダン型の車が俺の車の横二台分あけたところに停まった。
アイツの言葉を思い出していた俺はその車にステッカーが貼られているかどうかをつい確認してしまう。
(……………………彼氏…………?)
横二台分あけて停められた車に小さく貼られたステッカー。
この暗さと、この距離、あの小ささでは具体的には見えないけれど、多分、この車はアイツの彼氏の車だろう。
(…………何しに来た?)
俺は車の中から彼氏だと思われる奴の車を見つめ、そう心の中で問いかける。
捨てた男が捨てた女の所に来る、とか。
どんな心情で?