君が罪なら俺は罰を受け入れる
車から出てきたのは二人の男ー……
(彼氏………)
車から出てきたうちの一人は、やっぱりアイツの彼氏だ。
一度だけ携帯の待ち受けで見せてもらったことのある、アイツの彼氏、いや元彼ー……
『あんさ、お前がここに来るとかしちゃダメなんじゃね?』
彼氏ではない男が俺の車の方へと歩きながら、彼氏だった奴に問いかける。
俺は何故、こちらの方に歩いてくるのかに戸惑いながらも、スマホで電話をする振りをしながら様子を窺う。
彼氏ではない男は俺の車の前を通り過ぎ、そして横の自販機のお金の投入口に小銭を入れ始めた。
(……なんだよ、飲み物買いにこっちに来たのかよ……)
知り合いでもないのに声をかけられるとかあり得ないはずなのに、俺は心の中でそう突っ込む。
自販機から缶コーヒーを取り出すと、その一つを彼氏だった奴に向かって投げる。
彼氏だった奴はそれを受け取ると、その缶コーヒーを眺め、そしてアイツがいるであろう公園の方に顔を向けた。