君が罪なら俺は罰を受け入れる












『私……小原のこと、好き。


 友達とか、そういうのじゃなくて。


 小原と恋愛したい……小原の彼女になりたい……』










『…………何、言ってんの……?』







聞き出したいと思ったのは俺なのに。





それでも、ずっと聞きたくて仕方なかったバカ女からの言葉に俺は動揺するばかりで……












『小原がいなくなって……私、初めて…小原の大切さを実感したの。


 小原が隣に居てくれたのは当たり前のことなんかじゃなくて、小原がいる、そのどの瞬間もすごく、すごーく大事なものだったって。


 英人じゃなくて、私には小原が必要なの、小原じゃなきゃダメなの。

 小原と楽しい時間も、喜びの時間も、苦しい時間も……どれも全部共有していきたい。


 私の幸せを願うなら、私の為に、私の傍にいてよ……小原………?』











いつか、こんな夢のような、いや奇跡のようなことが起きればいいと願っていた。



でも叶わない願いを願い続ける程、俺にはそんな根性なんかなくてー……






いつからか自分の想いに蓋をして、バカ女の幸せだけを願い続けてきた。



それなら、俺の願いは叶ったからー……














『………百合、俺の願いはさ、お前が幸せになることだった。

 けど、俺の本当の願いは………お前が俺に振り向いてくれることだった。


 俺さ、俺の願いが叶っちゃけないとずっと思ってきたけど、今から俺は願い続けてもいいのか……?』







もし本当にバカ女の幸せが俺の隣にいることならー……



もし本当にバカ女が俺を好きだと言うのならー……





これから先、俺とお前がずっと隣同士でいられるように。


ーーそう、願ってもいい?








 




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