君が罪なら俺は罰を受け入れる






そんな時、


「二度と、現れないと誓います」と、小原っていう男が俺に言ってきた。









俺は百合を完全に振りきることも出来ず、彩華の優しさにもずるずると甘えてばかりなのに。






こいつだって絶対に百合のこと、好きなはずなのにー………









戸惑う俺に、小原っていう男は「百合を幸せにしてやってください」と頭を下げてまで言ってきて。










その時だった。




自分のことよりも百合の幸せだけを願ってる、この小原っていう男に俺は勝てないと思った。









俺はこんな風に百合の幸せだけを願い続けることなんて出来ない。


百合の幸せの為に、自分の身を、この想いを犠牲にすることなんて出来ない。






この深くて、強くて、優しくて、温かい……この男の百合を想う気持ちに、俺は絶対に勝てないし、この人間性にも勝つことは出来ないと心から思った。







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