君が罪なら俺は罰を受け入れる








「元彼、お前とヨリを戻すって」





アイツはそう言って、百合に笑ったんだ。




一番、お前が苦しいし、辛いはずなのにー……






しかも丁寧に俺の浮気への経緯とか、色々百合に教えて………










なんでこんなにも紳士的に振る舞える?



なんでこんなにも、大人で、カッコいいんだよ……?











アイツが居なくなった後、



俺のダチが百合に、






「お前と英人が幸せになるのを見届けてくれって頼まれたんだけど、俺。


 俺、今、お前たちに「ヨリ戻せて良かったな」とか……普通に言っちゃっていいの?」






そう問いかけた。










「見届けてくれっていうことはさ、百合。

 小原君だっけ?

 あの人はもうお前の傍にはいられないからっていう意味だよ?」








その言葉を聞いて、百合の顔から表情が消えた。









「英人を選ぶっていうことは、もうあの人がお前の傍にいちゃいけないってことだし、お前もあの人とは完全に関係を切らないとダメだってことだよ?」








その後だったー………




百合が俺の前で涙を流したのは。









初めて俺は、百合が俺のことじゃなく、俺以外の誰かのことで涙するところを見たー……






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