君が罪なら俺は罰を受け入れる













『なぁ、百合………。


 今なら、あの人のことを追うこと』





『英人、戻ってきてくれてありがとう』









それでも百合はそう言って、涙でぐちゃぐちゃな顔で笑った。





その笑顔が、その行動が、本当に俺とヨリを戻すことに対してなら………











『英人、疑ってばかりじゃ前には進めない。

 疑うくせがついてるなら同じ結果しか産まない、なら繰り返すな』








ダチは分かっていたのかもしれないー……








百合の心が本当は誰に向いていたのか。



俺が百合を疑ってばかりで、百合の言葉も、百合の涙も信じていないって。








俺はもう大好きな百合に傷つけられるのは御免だ。












『なぁ、百合。

 
 俺、別れようって言ったのは……もうこれ以上、百合のことを疑ったり、傷つけたりしたくなくて、それで言ったんだ。


 正直に言うと、今でも百合のこと、好きだ。




 でも、俺たち……別の道を行くのが一番いいんじゃないか?』









いつか、百合が俺よりも小原って奴のことが好きだったとか。



俺よりも小原のことが好きとか。




そういう風に言われる前に、俺から百合の幸せを願って、百合の手を離そう。











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