君が罪なら俺は罰を受け入れる
百合と別れて、俺は彩華の元にも戻らないと決めていた。
散々彩華の事を振り回してきたし、気持ちも最大限に利用しちゃったし………
けど。
『英人、ごめんね』
と、彩華に別れを切り出した時、彩華はそう呟いた。
『……や、謝るのは俺……』
『英人は何も悪くない。悪くないよ?
私が英人を諦められない位、もう戻れない程、好きになっちゃただけ……。
好きになってごめん……でも英人のこと、好きでいたいよ………』
俺が彩華に気持ちを偽って一緒にいるときも。
俺が百合を想いながら彩華を抱いたときも。
一度だって俺の前で涙を流さなかったのに。
ボロボロと涙を流す彩華を初めて見たー………
『でも彩華、俺は…きっと彩華のこと傷つける……だから……』
『傷つくか傷つかないか、それは未来のことでしょ?
未来のことなんて私にも英人にも分からない……。
だったら未来のことを考えるよりも、今の自分の気持ちに素直になりたいよ……』
彩華のその言葉は、俺がいつも出来ないことだった。
自分が傷つきたくない、と、
自分から未来の不安や苦しみを排除させて。
今、現在の自分の気持ちに素直になんてなれなくてー………
『私は、今までも今も、英人のことが好き……。
この気持ち、大事に、大事に育てていっちゃダメ……かな……?』