本が大好きなんです。
「あぁ、シェイクスピアの作品。
いつも貴方が借りているのを見て少し気になっていて…」

少し照れくさそうに言った彼。

「えっ、あ、ありがとうござい、ます。」

何か分からないけど嬉しくなってお礼を言ってしまった。

「初めから思ってましたが、やっぱり面白い方ですね」

ふふっ、と彼は優しく微笑んだ。

ん?

「初めから?」

「あ…なんだが本当に楽しそうに本を読むんだなって、放課後に本を読みに来るのは貴方ぐらいで…それで気になってしまって…」

彼の顔は真っ赤だった。

見られてたんだ…私の顔にも一気に熱が集まってきているのが分かる。

でも、嫌な感じはしなかった。

それどころか…

「同じです。」

え? っと彼から聞き返される。

「私も、見てたんだと思います。
いつもいつも笑顔で本を渡してくれる貴方の事…気になってました。」

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