キミのことがスキなのに…。
放課後、私は毎日一緒に帰っている廉くんと変わらず帰っていた。
「結麻、今日元気なくね?」
やばい。バレちゃう…。
「そんなことないよ!元気だよ!」
私は必死に隠した。
お願い。バレてませんように…。
「なんだ!ならいいけど!」
そう言って笑顔を向けた廉くん。
平気だったかな?
不安しか残ってない私に対して、廉くんはずっと笑顔のまま。
打ち明けた方がいいのかな。
「いつ映画行く?」
学校で話していた映画の話を
いきなりはじめた廉くんにビックリしながらも
「いつがいいかなー?」
って返事をした。
「また今度でいっか!」
やっぱ決めることができないと思ったのか、
廉くんは話の話題を変えた。
「ねえ、廉くん?」
「ん?」
廉くんは顔だけをこちらに向けるように返事をした。
「私が死んじゃったらどうする?」
廉くんは少し驚きながらこんなことを言ってくれた。
「結麻がいなくなるとか考えられないし!
てか、縁起悪いこと言うなよ~。」
そんなことを言ってくれた廉くんに対して私は泣きそうだった。
廉くん、私死んじゃうよ…。
もうすぐいなくなっちゃうよ…。
一年という長いようで短い時間はきっと廉くんといたら
あっという間だと思う。
でも、この時間を大切に残された時間を大切にするって決めたから。
私は廉くんに笑顔を向けて言った。
「ありがと、廉くん。」
その後も廉くんと色んな話をして、
家に着いて、今日もお別れの時間がきた。
「じゃあな。」
「うん。バイバイ!」
この時、廉くんはどんな思いでじゃあなって言ったんだろう。
私はいつ忘れてしまうか分からない廉くんを忘れないようにって
頭に焼き付けてたよ。
廉くんの顔も、声も、存在すべてを忘れないように。