キミのことがスキなのに…。
久々に夢を見た。
ベッドで眠っている女の子がいて、その子は眠っているのに涙が頬に流れていた。
そこは病室のようで、誰かがドアを開けた音がした。
入ってきたのは男の子で走ってきたのか汗をかいて息を切らしていた。
そういえば、ドアも勢いよく開けてたかも。
「結麻…。」
男の子はそんなことを呟いた。
なんで私の名前呼んでるんだろう。
よく見たら眠っているのは私で、走ってきた男の子は廉くんだった。
どうして、私は眠っているんだろう。
どうして、廉くんは急いでたんだろう。
なんで、私は目を覚まさないんだろう。
疑問ばっかりが出てくる。
疑問だけが残ったまま私は目を覚ました。
夢でも泣いていたのに、現実でも私は眠りながら涙を流していた。
でも、違ったのは廉くんがいないこと。
いるわけないか。
あの夢は未来の私かな…。
目も覚まさなくなっちゃうの?
ねえ、廉くん。
私にとってね、廉くんもママもパパもみんな大切で1人でも欠けてしまったら私は私じゃなくなっちゃう気がするんだよ。
でもね、廉くんが同じことを思ってくれてるか分からない。
だから、たまに、不安になるときがあるの。
廉くんが離れていっちゃうんじゃないかって。
だから、本当のことを伝えることができないんだ…。
でも、離れていくなら今だよって思うから伝えるね。
きっと廉くんは「おれは結麻の味方だから一緒にがんばろ」って言ってくれる。
ごめんね、廉くん。
目を覚ますと、カーテンは朝開けたときのまま。
でも、そこから入る太陽の光はもうなくて、外は真っ暗になっていた。
なんとなく、ケータイが気になり手に取ると一通のメールがきていた。
『ちゃんと寝れた?
明日もいつもどおり迎えに行くから
元気な顔見せろよっ!』
廉くんからだった。
涙が出てきた。
せっかく目の腫れがひいてきたのに、廉くんのせいでまた腫れちゃうよ…。
でも、私はメールの中では元気になったように見せて、廉くんに返信した。
『ありがと!
ちゃんと寝れたよ!
明日はちゃんと学校行きまーすっ!
色々と心配かけてごめんね…。
ほんとにありがと。』
廉くんにはいつも心配かけてばかり。
それでも、傍にいてくれる廉くんに真実を教えたらどんな顔をするだろう。
離れていってしまうかな?それとも、傍にいてくれるかな?
どんな未来が待っていようと私の気持ちは変わらない。
今を生きる。そう決めたから。
大切な人を傷つけるのはこわいけど、真実を伝えずにいるのもこわい。
ママ、パパ、そして、廉くん。
ありがとう。