【短編】「言わせてやろうか、好きだって」



「しかもね、その日雨降ってたんだけど私傘持ってなくて、相合傘したの!」


「…この靴いいなぁ」


「そしたらね、肩濡れてない?って引き寄せられたんだよ!?こう、肩をグイッと…」


「でも高えなこれ…」


「…あのう、いきなり聴力失うのやめてもらえます?」



だるそうにあくびをする翔平からスマホに視線を移すと、さっき見たときと変わらない新着メッセージ0件の文字がそこにはあって。


やっぱり、いきなり一緒に水族館行きましょうなんてお誘いハードル高すぎたなぁと落ち込んでいると、翔平が静かにこっちを見ていることに気づく。



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