ビューティフル・ワールド
手のひらで太ももを無であげ、パーカーの中に簡単に滑り込む。ぷるんとしたお尻を柔らかく揉み、太ももの付け根を指先でなぞった。
もう片方の手で、タオルをどけ、パーカーのファスナーを下げ、肩から首すじ、耳の後ろまで唇で触れながら、辿る。
止まらなくなる前にもう一度、りらの顔を見た。
りらは柔らかい風を受けるように目を閉じていた。ふいに手を止められて目を開けると、じっと自分を見つめている柳瀬と目があった。
やめろ、と言われるのかと、柳瀬は身構えた。
だが、そうではなかった。
「もっと。」
命令するようにりらが言った。
柳瀬は破顔した。
いくらでも、与えられる。こんなことを思うのは初めてだった。りらが、もっと、と言うのなら。
いくらでも、何だって…
熱いキスの勢いでりらが後ずさり、背後の棚台に浅く腰掛けるような体勢になった。
りらはブラジャーをしていなかった。小ぶりだが形の良い胸を揉みしだきながら、柳瀬は屈んで、りらの身体を閉じ込める。
「…ベッドは?」
「あっち。」
りらが案内するように先に立って居間に歩き出した。
初めて来た時、りらが着替える為に入っていった奥の扉を思い出し、柳瀬は後ろから追いかけ、りらの身体をすくい上げるように抱き上げた。
うわっと声をあげ、横抱きにしたりらをまっすぐにその部屋に向かって運ぶ柳瀬の首に両腕を回し、はだけた胸元を隠そうともせずに、りらが子どものように笑った。