もう一度、恋をしてもいいですか?
一番奥の部屋に
仏壇があるのを見つけ
桜介はそちらへと足を向けた。
仏壇を覗き込むと
遺影が目に入ってた。
何十年後かの真知の姿と
重なる女性と
ロマンスグレーが
よく似合っている男性。
その2人が
真知の両親だということに
桜介は気がついた。
真知は桜介が
仏壇の前にいることに
気がつき、
「わたしの両親です」
と言い
桜介に声をかけた。
「線香、あげさせてもらっても
いいかな?」という桜介に、
少し驚きながら
「はい、
ありがとうございます」
という真知。
真知は、
両親の仏壇に手を合わせている
桜介の後ろ姿を見て、
涙が零れそうになるのを
必死にこらえて
夕飯の支度を始めた。