もう一度、恋をしてもいいですか?

それを見た桜介は慌てて、
真知の頬を伝う涙を拭いながら
優しく言った。


「違うよ、真知。

真知の過去を知っても
俺は真知のことを
嫌いになんてなれないよ。

真知だって俺の過去を
受け入れてくれてるじゃない。

好きだよ・・真知。

最初は一目惚れだったけど、
俺の気持ちは、
ずっと何も変わらない。」

と言い、話を続けた。


「真知に離婚した経験があっても
そんなの世間一般じゃ普通だろ?

なにか言う奴がいたら、
俺が全力で守る。

それに、
俺は真知が一緒にいてくれたら
子どもは望めなくても、いい。

だから・・・真知。
俺と一緒にいてくれ。
これからの人生を俺と一緒に
歩んでくれないか?」

と伝えた。

真知は泣きじゃくりながら
桜介を見つめて
頷くことしかできなかった。


自分が
こんなに幸せになっていいのかと
不安に襲われながら、
真知は桜介をじっと見つめた。


その視線に桜介は堪えきれず
真知の唇に自分の唇を重ねた。

真知は驚きながらも受け入れた。


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