もう一度、恋をしてもいいですか?
真知も数年前までは
『先生』という立場にあったので
華代と大輔との会話には
全く困るということもなく、
古書店兼二人の自宅までの道のりは
いつも短い時間のように感じていた。
真知は二人と手をつないで歩く
このひと時が大好きで、
この日は、
保育園で教えてもらったという
歌を一緒に歌って、歩いていた。
~♪~いつも・・・君と~♪
~♪大切な~♪
繋いだ手を振りながら
歌に合わせて歩く。
『リビエラ』の店先で二人は
「おかあちゃーーん!!
ただいま~~」
とおっきな声で
華枝に声をかけ
自宅のある2階へ
駆け上がっていった。
華枝も仕事をしながら
「おかえり~
手を洗ってまってて~」
と2人に声をかける。
「ごめん、真知、もうちょっといい?
発送はさっき終わったから、
もうちょっと2人といてくれる?
そろそろ大地が上がる時間だから、
それまで!」
と手を合わせてお願いされたので、
「大丈夫ですよ、華枝さん」と
二人との会話でのおかげで
すっかり気を許してた真知は
なんとも自然な笑顔で返事をし
2人をあとを追いかけた。