もう一度、恋をしてもいいですか?
待合室に戻ると
少しそわそわしながら
真知は、
自分の名前が呼ばれるのを
待っていた。
「相沢さん・・相沢真知さん」と
看護師さんに呼ばれ、
診察室に入ると、
電子カルテに目を通していた
先生と向き合うように座り
問診を受けた。
「以前、通院されてたね。
おひさしぶり。
ほう、そっかー。
検査薬では、陽性だったんだねー。
じゃあちょっと様子をみてみようか」
と
促され診察台へ。
すると先生が
モニターを見ながら
説明をしてくれた。
「あっ、
ここね・・わかるかな?
これが赤ちゃんね。
まだ2センチくらいかな・・
このまま心音も確認できそうだね。
聞いてみる?」と言われ、
待っていると
「ドッドドッ!・・・」
という音が聞こえてきた。
その音を聞いて真知は
あんなに待ち望んでいた瞬間が
自分にも訪れたんだ…と
幸せな気持ちで一杯になり
守らなきゃ、この子だけは
何があっても
わたしが守らなきゃ・・
という気持ちが芽生えていた。