もう一度、恋をしてもいいですか?
真知は、
病院からそのまま役所に向かい、
母子手帳を交付してもらった。
ずっと
手にしたかった母子手帳。
学生時代に、一度だけ、
教材として
勉強したことはあったけど
実物は初めてで、
今、
この手の中にあると思うと
それだけで幸せになれた。
自宅に戻り、
中に書いてあることを
ペラペラとめくりながら、
これから先のことを
考えていた。
この子を失うという選択肢は
絶対にない。
わたしが守る、
一人であっても
立派に育てていく。
そして
一晩考えた真知の出した答えは
ここを離れる、だった。