もう一度、恋をしてもいいですか?
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真知が
北海道・富良野に来て
2ヶ月が経った。
ここは華枝の両親が営む
カレー専門店
『暖家【だんか】』
おじちゃんはもともと
東京にいた頃から
料理が得意で
愛子とこの地に移り住み、
趣味の延長で
このお店を始めてしまった。
真知も無理しない程度に
お手伝いをさせてもらっている。
真知がこちらに来た当初は
雪も残っていて、
辺りが薄暗い日も多かった。
真知は、毎晩のように涙を流し、
自分の出した答えに
自問自答の毎日だった。
が、
おじちゃん・愛子の人柄と
ほぼ毎日、ランチを食べに来てくれる
常連さんたちに元気をもらい、
支えられて、笑顔を取り戻せていた。
その中でも
町役場の職員、
横山健太【よこやま けんた】は
真知に惚れてしまった一人で、
逢うたびに
『俺、真知ちゃんの
お腹の子どもの父親になる!』
と言い
真知も
『はいはい!ありがとね~』と
聞き流せるようになっていた。