もう一度、恋をしてもいいですか?

自宅から職場までは
クルマで40分程度の距離。
好きな音楽を聴きながら
密かにテンションをあげていく。


女性では
珍しくsuv車をのりこなし、
駐車場につくと
いつものようにマスクをつけて
素顔を見せない出で立ちになる。


朝9時半、
職場は、古書店『リビエラ』。


下町に古くからあるお店だが、
親友の
仲川華枝【なかがわ はなえ】が
父親から数年前に受け継いだ。


それと同時に店舗兼自宅も立て直し、
古本を扱うお店とは思えないほど
モダンかつ
スタイリッシュな内装になった。


真知は、
お店の鍵を空け中に入ると
華枝が昨日のうちに
仕入れてきた本を
あわただしく整理していた。


若者の活字離れと叫ばれ、
電子書籍が広がりつつある中でも、

華枝の勘のいい仕入れと
インターネットの書籍販売で
個人商店にしてはお客が絶えず
出入りしている店である。


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