もう一度、恋をしてもいいですか?

「おーい桜介?大丈夫か?」
と大地が声をかけると

桜介は我に返り、


「あっ…あぁ、お招きいただき
ありがとう。あっ…と…
おチビちゃんたちに、これっ」

と言い、大地にプリンの入った箱を
差し出した。


「そんな、わざわざ。
でもお前の歓迎会なんだから、
そんな気い使わなくていいのにー。
かえって悪かったな、ありがとう。」

と受け取り、

「おーい!華代・大地
おじちゃんが
プリン持ってきてくれたぞー」
と華代に箱を預け、


桜介に向かい、
「ほら、
お前もそんなとこ突っ立てないで
中に入れよ。
もうすぐ華枝も
上がってくるだろうから、
そしたら始めよ」と

言い、
大地は再び夕飯の支度に戻った。


自分が『おじちゃん』なんて
呼ばれたことも全く気にもとめず



桜介は、
玄関で靴を脱ぎながら
リビングに向かうも
いま触れた彼女の背中の
感触を忘れずにはいられなかった。




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