もう一度、恋をしてもいいですか?
桜介が「!?」
というような表情で
大地の方に顔を向けた。
桜介と華枝の会話に
耳を傾けつつ
子どもたちの
食事の世話をしていた大地が
その視線に気が付き、
「ん??あぁ・・真知ちゃん?
さっきお前と玄関で・・」
と話し始めると
桜介の顔がほんのり赤くなり
ぽーっとした表情を見せたので
それを見逃さなかった華枝が
すかさず
「なになに~~?桜介さん、
真知に逢ったの?おーすけさーん?
おーーーすけさーーーん!!!」
と声をかけると
ようやく我に返った桜介が
「あっ・・うん。
あぁ、彼女、『真知さん』
っていうんだ?」
とようやく返答すると
「変なの~~!桜介さん、
いきなりぽーっとしちゃうし、
的はずれな返答するし・・・
どうしちゃったの??ねえ、お兄さん!」
と言うと
その語尾が面白かったのか
子どもたちまで
「ねっ、お兄さん!」と真似をした。
桜介は、華枝に
何か見透かされたようで
恥ずかしくなり
一気にお酒を飲み干した。
すると華枝が
「まあ、夜は長いですから、
子どもたちが寝てからでも
ゆっくりお話でも聞きましょうかね、
お兄さん!」
というと
また子どもたちがそれを真似して
「ねっ!お兄さん」と続けた。