もう一度、恋をしてもいいですか?
その表情をみて華枝は
「桜介さんって・・・
もしかしてさ・・・
『恋』したことないの?」
とふと疑問におもったことを
ぶつけてみた。
すると
お茶をのみ一息ついた桜介は・・
「『恋』かぁ。
この感情がもし『恋』だというなら
38年間1度もしてこなかったのかも
しれないなぁ。」
「え!?1度も?え?えーっ!」
と華枝は目を丸くした。
「かもな・・」と大地が続けた。
「桜介は、
来るもの拒まず、去るもの追わず
そのスタンス、
ずっと変えてこなかったもんな」
というと
「んー。
女性がどうしたら喜ぶとか
こう言ったら喜ぶとかさ、
反応が同じなような気がしてさ。
違うのは姿・形だけで、
これじゃあ誰と付き合っても
同じだ、って気がずっとしてた・・」
と言うと
「そりゃ、
お前に近寄ってきた女性たちが
おんなじようなことを望み、
同じような考え方をするような
人たちだっただけじゃないのか?」
と大地が聞くと
「そうかもなー
残念な男だな、俺って」
と桜介は呟いた。