もう一度、恋をしてもいいですか?

桜介は、
いままで女性全般に
顔を「覚えてない」
と言われたことがなく

真知に言われた言葉は、
少し寂しくもあり、

新鮮だった。


「じゃあ、
もう一つ聞いてもいい?」と
桜介がいうと

「なんですか?」

と真知は言った。


「どうしていつもマスクに
メガネ姿なの?
あの時は、あんなに可愛い顔を
見せていてたのに・・」

と聞くと


少し戸惑いながら真知が

「メガネはパソコンと
向き合っているからで
マスクは・・
自信がないからです」


と答えると


「真知さんの笑顔、
とってもステキだったのに・・
残念。」
と桜介が言った。


この人はこうやって
女性を口説くのか・・・と
真知は少し警戒しながら


「ありがとうございます。
もうここで、大丈夫なので」

と桜介の手から
荷物を取り車の方へ
足を向けた。


すると後ろから
「真知さん、
またお話しましょうネ!」
と桜介が手を振ったが、

真知は振り返ることなく
クルマに乗り込んだ。




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