もう一度、恋をしてもいいですか?
初恋をしている桜介に
大地は聞いてみた。
「このまま、
眺めているだけでいいのか?」と。
すると桜介は
「うん・・。実はこの前、
スーパーで偶然逢ってさ、
少し話ができたんだ。」
「それで?」
「ほら、
お前の家の玄関でぶつかっただろ、
それを覚えてくれてるかと思って
話しかけたんだ。
そしたらさ、俺のこと、
ちっとも覚えてなかったんだ。
顔すら知らないって顔で。」
「あはは。貴重な体験だな。
お前にとっては」
と大地は笑った。
「そうだな。初めてだった。
覚えてない、あなたには興味ない
って顔されたの。」
「正直、
ショックだったんだけど
その反応が新鮮でさ。」と桜介。
「やっぱり・・
好きになったのか?」
と大地はストレートに聞くと
「かもな・・
初めてでよくわかんねぇんだ。
華枝ちゃんに
釘刺されちゃったのもあるし
どうしていいか、
わかんないんだわ」と言うと
「あんなにたくさんの女性と
付き合ってきた男の言葉とは
思えないな」と大地は笑った。