もう一度、恋をしてもいいですか?

桜介の腕の中には、
真知の姿。


思ってもいなかった展開に
桜介は、嬉しくなり、
ほろ酔いサラリーマンに
感謝していた。


しかし腕の中の彼女は、
そのまま眠ってしまった。


無理やり起こすのは
可哀想だと思い、

少し気が引けたが
徒歩で帰宅できる
自宅に連れて帰ることにした。


いつも
遠くから眺めるだけだった
真知の体のラインは
思っていたより細く、

桜介が少しでも力を入れたら
壊れてしまいそうなほどだった。


壊れてしまわないように
自分の腕に神経を集中させ、
ようやく自宅に着き、
ベッドにゆっくりと真知を下ろす。


真知のかけていたメガネを
そっと外し、
サイドテーブルに置いた。


真知の素顔を
初めて見た桜介は、

湧き上がる気持ちを
必死に抑えながら、
しばらく眺めていた。


「寝顔まで、こんなに
綺麗だったとは・・・」と呟く。


< 63 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop