奴隷少女と我儘王子
「いらっしゃい! 今日は新鮮な野菜が入荷してるよ! 夕食のお供にどうかい!?」
「こっちは肉だ! いつもより大きいのが入った!見てけ見てけ!」
馬車に付いている窓から外を見ると、そこには今まで見たことの無かった光景が広がっていた。
八百屋や肉屋など、大きな声で客を呼び寄せ、隣の店と張り合うように売り込んでいる。
それだけではなく、私には何屋かも分からない店が沢山並んでいて、何処も活気に溢れている。
「こんなに沢山の人を初めて見ました。これが王都……凄いですね」
私は奴隷だから実際に歩くことは出来ないけれど、それを悲しいなんて考えることもなく、ただ見たこともないその光景に目が離せない。
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