奴隷少女と我儘王子
私達を乗せた馬車は《富裕層》の、人通りが少ない方へと迷いなく進んで、とある建物の前で止まった。それは真っ白の高級そうな壁に包まれた比較的小さいもので、とても生きた人間を売買しているような店には見えない。
けれど奴隷を取り扱っているためか、あまり人が来ないような奥まった所に店を構えているようだ。確かに奴隷商店には、奴隷を欲している人以外には訪れることもないだろうし、ふらっと立ち寄るような客もいないだろうから、この立地は正しいように思う。しかしこの奴隷商人さんが、わざわざこのような立地の悪い場所に店を構えるとは思えなかった。
「このような所に店を構えているということは、奴隷はあまり表だって売買されないものなのですか?」
「我が国は奴隷を合法としている。しかし店を開くには国からの許可が必要だ。しかしどこにでも、許可なく売ろうとするものはいるからな。そういう輩を抑制するためにも、奴隷商は一定の距離を保って運営されている。簡単に言えば、縄張り意識を国が利用しているんだ」
「納得しました。自分の縄張り内で勝手に奴隷を売買されると、売上が下がってしまうから、国が抑制する前に、奴隷商が抑制しているのですね」
「そういう事だ。お前は牢へ。教育は明日からだ。存分に学んで、これから出来る主人を喜ばせる術を学べ」
「はい、ありがとうございます」
けれど奴隷を取り扱っているためか、あまり人が来ないような奥まった所に店を構えているようだ。確かに奴隷商店には、奴隷を欲している人以外には訪れることもないだろうし、ふらっと立ち寄るような客もいないだろうから、この立地は正しいように思う。しかしこの奴隷商人さんが、わざわざこのような立地の悪い場所に店を構えるとは思えなかった。
「このような所に店を構えているということは、奴隷はあまり表だって売買されないものなのですか?」
「我が国は奴隷を合法としている。しかし店を開くには国からの許可が必要だ。しかしどこにでも、許可なく売ろうとするものはいるからな。そういう輩を抑制するためにも、奴隷商は一定の距離を保って運営されている。簡単に言えば、縄張り意識を国が利用しているんだ」
「納得しました。自分の縄張り内で勝手に奴隷を売買されると、売上が下がってしまうから、国が抑制する前に、奴隷商が抑制しているのですね」
「そういう事だ。お前は牢へ。教育は明日からだ。存分に学んで、これから出来る主人を喜ばせる術を学べ」
「はい、ありがとうございます」