奴隷少女と我儘王子
　母が言っていたのですが、私がこの世に生を享けた瞬間から、私の右目はとてもあやふやで何色でも無い色だったそうです。

　そう、産まれた瞬間から。
　おかしいですよね？
　産まれたばかりの赤ん坊の右眼が見える……つまり、産まれたばかりなのに、右眼は既に開いていたという事です。

　とても痛く辛い思いをして産んだ子どもが『呪われた子』だったら……私はどう思うでしょうか。
　愛してあげられるでしょうか。
　手放してしまうのでしょうか。

　私の母は、私を叩き、罵倒します。
「どうして、普通の子に生まれてくれなかったの！？」
　でも、時々泣いて謝ってきます。
「ごめんなさい。私がちゃんと普通に産んであげられなかったから……」
　ーーごめんなさい。 私がこんな眼を持って生まれて来てしまったから、お母さんはこんなに泣いているんですよね。

　私は、お母さんの自慢の子になれそうにありません。
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